経理テレワークの実態調査。最大の課題は「紙」だった!
経理テレワークの実態調査。最大の課題は「紙」だった!
CFO協会は新型コロナウイルスに関連して、経理のテレワークの実態調査を行った。大企業を中心にテレワークが一般化する一方で、紙の書類が多いことが原因で、経理や財務部における在宅ワークが進んでいない調査結果になりました。その課題と対策について解説します。
新型コロナウイルスの対策として政府が行っていた緊急事態宣言が発令中に、決算のタイミングと重なったこともあり、経理部や財務部では9割がテレワークを実現できず、リスクを取って出社していることが明らかになった。コロナ禍において、社内の従業員の感染リスクやご自身の家族が新型コロナウイルスに感染することを心配しているCFOが多い結果となりました。
また、実務的には、決算の遅れがでるなど、混乱が拡がりました。
緊急事態宣言後においても、経理部や財務部でテレワークできないで、出社する方は88%になっており、その中でもテレワークが全くできない人が3割という結果になった。
また、経理テレワークの課題は、ハンコ出社という言葉にもなったハンコの押印よりも、紙の請求書の受け取りの処理のための出社が、多いという結果にもなりました。
経理テレワークできない人は88%
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の後に、CFO協会とファーストアカウンティングで、経理部と財務部の出社率および在宅ワークの実態調査を行った。
コロナ禍の中、経理部や財務部で、何らかの形で出社している方は88%の方が、出社していることが明らかになりました。
週5日の完全にテレワークができている方は12%であり、テレワークが週4日、出社が1日が18%、テレワークが週3日で出社2日が12%、テレワークが週2日で出社が3日が17%、テレワークが週1日で出社が4日など、証憑や帳簿など紙の書類が多いことから、出社とリモートワークのハイブリッド型が多いのが、日本の経理・財務の勤務の特徴となっています。
日本においては、働き方改革が推進される中でも原本保存が不要になる電子帳簿保存法の普及率は1%を超えていないことからわかるように、社外からの請求書や納付書、および社内の経費精算が紙ベースで受け取り処理するなど、会計で使う証憑が紙の書類が多く、コロナ禍において苦労されている経理の方が多いことがわかりました。
経理テレワークの課題は請求書
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の後に、CFO協会とファーストアカウンティングで経理部と財務部の在宅ワークの課題に関する調査によると、テレワークの課題は下記のような結果となった。「テレワークで苦労したこと」は1位が、「請求書が紙で送付されてくる」65%、2位「ハンコの押印作業」46%、3位「納付書が紙で送付されてくる。」33%、4位「メール請求書による業務効率の悪化」23%という結果になった。
新型コロナウイルスの対策として経理のテレワークが進む中で、苦労した点は、紙書類の押印作業に伴う出社は「ハンコ出社」という言葉できたが、それ以上に経理テレワークの阻害要因は、紙で送られていくる請求書や納付書などの紙の証憑であることが明らかになった。また、コロナ禍の中で経理部や財務部では、在宅ワークができるように工夫されてきたことがわかる。取引先からメールを請求書で受け取り、会計処理することが拡がったが、苦労されていることが浮き彫りになった。
新型コロナウイルスによる景気の悪化から、資金繰りの悪化に伴う資金回収は企業にとって大切なことになっており、コロナ禍といえども、取引先にタイムリーに支払を行う重要性が増している。取引先からメールで請求書が添付されてくるので、請求書をPDFで開きながらERPに入力すると、業務効率が悪くなったり、確認作業にミスが発生したりするケースが多い。また、メールと紙の両方で請求書が送られてくることで、二重払いのミスも起こったというアンケート結果も出ている。
このように、経理のテレワークを実現する上で、請求書や納付書の紙の書類の電子化が大切であることがわかりました。
経理テレワークを実現する「Remota」
新型コロナウイルスの長期化にともなって、経理部におけるテレワークの導入を必要と考える企業は75%という調査結果になりました。従来型のERPや電子帳簿保存法では対応できないこともあり、新しいリモートワークのソリューションが求められています。
そこでファーストアカウンティングではリモートワークを実現する「Remota」というCloudサービスを開発しました。Remotaは、経理や財務部の方が効率的な在宅ワークを実現するCloud型のサービスです。経理部で課題になっている請求書の紙で受け取り、および請求書をメールで受け取り処理する非効率さを解決するソリューションです。
請求書をメールでPDFで受け取り、それを転送するだけで、AIがOCRして仕訳も自動化して、ERPに連携するサービスです。最初から証憑をPDFでとしてデジタルで受け取るため業務の効率化を実現することが可能です。
日本の大企業の仕訳に関しては、独自に勘定科目を設定することが一般的です。
そのため、簿記の資格を習得しても、企業現場ですぐ即戦力になることが難しく、入社後に各企業の各部署での仕訳のルールを学習してくことが必要でした。Remotaは、経理の経費精算や請求書の起票における仕訳を、各企業ごとにAIをチューニングして提供することで、請求書の起票や経費精算の突合作業を自動化することに成功しました。現場部署での起票や仕訳の精度を2割程向上させることができています。
また、ERPやワークフローへの連携に関しては、ERPのAPI連携やCSVをRPAで基幹システムにいれるなど、在宅ワークにおいて、業務を効率化することを実現させることが可能です。
経理は社内の基幹業務であり、集団感染は最も避ける必要がある部署です。リモートワークにおいても生産性を向上や月次決算の高速化を実現できることが、長期化している新型コロナウイルスの対策の一貫としてご検討されてはいかがでしょうか。