請求書OCRをAIで実現 請求書Robota
複合機のスキャナーで請求書を読み取り、支払業務・請求業務を効率化
支払業務や請求業務は経理・会計業務を専門とする部門だけでなく、全社従業員が関わる業務です。請求書の電子化保存、業務の効率化という視点で、AI-OCR 機能を搭載したRobotaと複合機のスキャナーを使うことでどのような効率化がはかることができるのかを紹介します。
課題
紙の請求書を中心とした従来の支払手続きのフローと課題
請求書の請求内容、発注稟議書(購買稟議)の発注データ、支払依頼の入力内容など多くの資料を照らし合わせる作業が発生する請求・支払業務。さらに証拠書類としての請求書原本は紙で保管している会社が多いのではないでしょうか。
多くの企業で想定される従来の支払業務・請求業務のフローが下記になります。
従来の支払手続きのフロー
- 取引先や購入先から請求書が送られてきます。企業の支払いサイクルは月末締めの翌月末払いに設定していることが多く、月初に請求書が送られてきます。
- 案件の発注担当者は送られてきた請求書と発注稟議書(購買稟議書ともいう)の申請番号をもとに、専用のシステムなどで支払依頼を申請します。専用のシステムによっては勘定科目まで入力する必要があります。同時に請求書(原本)と支払依頼の専用用紙をクリアファイルに差し込み、専用のボックスに置くなどのルールがあることが多いです。
- 専用のシステムより申請された支払依頼を担当者の部門長が承認します。
- 紙の請求書(原本)を受け取った経理部門は、専用のシステムより申請された申請内容や発注稟議書と照らし合わせてチェックします。
- 申請にミスがなければ、経理が勘定科目の仕分けを行い、確定データとして会計システムに登録します。同時に銀行に支払い手続きを行います。
従来の紙の請求書を中心とした支払業務・請求業務のフローは、下記のような課題があります。
従来の支払手続きのフローの課題
- 郵送・手渡し・メール(pdf)など請求書が送られてくる方法がさまざまで煩雑になり、抜け漏れが発生することがある。
- 発注担当者が支払依頼の専用システムへの手入力に工数がかかる上、入力ミスのリスクもある。
- 請求書へ社印の押印を求めることが多いがルールは徹底されていないため、経理担当者によっても判断が変わる
- 請求書の原本は、特定のボックスに証拠書類(請求書原本)を置くなど物理的に移動するので紛失のリスクがある
- 経理・財務などの管理部門で照合・突合する工数がかかる
- 人の目視による照合ミスのリスクがある
- 紙の請求書の保管コストがかかる
紙の請求書を中心とした支払業務・請求業務には多くの課題やリスクが存在していることがわかります。また、請求書の電子化保存に抵抗があったり、電子化保存の適応範囲がわからなかったりすることで、電子化が進んでいないケースもあります。
紙からスキャナー保存、電子化保存へ
スキャナーで読み込んでPDFファイルになった請求書も認められる
1988年に制定された「電子帳簿保存法(※1)」では、作成段階から電子データとして作成した書類を対象にしていて、紙の書類をスキャンで取り込んだPDFファイルなどは認められませんでした。そのため、請求書の電子化保存にシフトする会社は多くありませんでした。しかし、2005年のe-文書法の施行によって、請求書をはじめとした証憑をスキャンで取り込んだ画像データやPDFファイルも、条件を満たすことで電子化保存が可能になりました。つまり、2005年のe-文書法が施行され、「スキャナによる保存」が認められるようになりました。
スキャナ保存が認められている書類
スキャナ保存が認められている書類
契約書、領収書、小切手、約束手形、納品書、領収書、請求書、預金通帳、注文書、見積書、検収書などの証憑書類のみ。
請求書のスキャナ保存は認められています。
ユースケースのご紹介-Robota×複合機-
複合機のスキャナーで取り込んだ請求書をRobotaで読み取り、支払業務・請求業務を自動化
複合機のスキャナーとRobotaを活用した請求業務・支払業務は、経理部門のみならず全従業員に効果が期待できるものです。請求書を受け取った担当者は、複合機で紙の請求書をスキャンします。スキャンで読み取ったPDFファイルは回転切出Robotaで必要な範囲を画像として切り出し、請求書Robotaに備え付けられているAI-OCRで文字や数字の読み取りを行います。さらに読み取った支払金額、支払先などを確認Robotaでチェックし、仕訳Robotaで勘定科目を仕訳します。
確認RobotaでAI-OCRで読み取った結果が正しいかをロジックチェックするので、人による入力チェックの作業が大幅に削減されます。
つまり、申請者が複合機より特定のフォルダにスキャンデータを保存するだけで、Robotaが起動し、会計システムへの入力・確認作業まで終えた状態になります。申請者は会計システムより支払依頼の申請を行い、会計システムより上長が承認すれば、経理・財務部に申請があがります。
経理・財務部は申請された情報の勘定科目や、発注稟議の予算を確認し、問題がなければ確定とします。
支払業務にRobotaを導入するだけで、請求書の入力作業やチェック作業が効率化され、入力ミスなどのヒューマンエラーも防ぐことができます。さらに請求書をスキャンして電子化保存でき、支払確定データとも紐づいた状態になっています。請求書を紙で保存するスペースを確保する必要がなく、経費の削減にもなります。さらに、過去の請求書を探すことも、会計システムからの検索で簡単に探すことできるようになります。