経費申請の突合作業の自動化と電子化保存
経費申請業務は会計業務を担当している部門では、業務効率化したい作業の一つ。日頃からご活用しているintra-martにAI-OCRの機能を搭載したRobota(会計分野に特化したAIソリューション)とRPAを連携させたユースケースを紹介します。経費申請の突合作業の自動化や電子化保存が可能になります。
課題
経費精算書(紙)を使った従来の経費申請のフロー
一般的には経費精算の流れは、経費を立て替えた申請者側(社員)が、intra-martなどの基幹システムに各自が手入力して申請を上げます。同時に経費精算書(領収書貼付台紙)に領収書やレシートを貼付し、割印を押し、上長に提出します。上長は会計システムの申請と経費精算書を確認し、承認します。
部門の上長の承認が終わると、経理部門の担当者に、経費精算書は渡ります。経費精算書とintra-martの申請内容を照らし合わせて確認し、支払い手続きを行います。会社規定の日に立て替えていた経費は従業員への払い戻しが行われます。経理部門では手入力で起きやすい数字のケタ間違いを防ぐために、申請内容を照らし合わせる突合作業をダブルチェックするなど負担になっていました。
経費申請書は経理でファイリングされ、保管されます。保管期間が帳簿書類の保存期間は、「法人税の申告期限の翌日」から7年間と決まっていて、最低でも7年の間も保管する必要があります。
従来の支払手続きのフローの課題
- intra-martなどの基幹システムへの手入力のミスを防止するための突合作業に工数がかかる
- 経費申請書の保管にスペースが必要
紙の請求書を中心とした支払業務・請求業務には多くの課題やリスクが存在していることがわかります。また、請求書の電子化保存に抵抗があったり、電子化保存の適応範囲がわからなかったりすることで、電子化が進んでいないケースもあります。
紙の保存からスキャナー保存、電子化保存へ
領収書やレシートは電子化保存が可能に
2005年にe-文書法が施行され、国税関係書類のスキャンによる電子化保存が可能になり、「電子化保存」「業務効率化」という観点で、経費申請フローにAI-OCRを組み込みたいという企業が増えています。
ユースケースのご紹介-intra-mart×Robota×RPA-
intra-martを使った経費精算フローにRobotaを導入したフロー
intra-mart ×Robotaを使った経費申請の業務改善の取り組みでは、経理部門のみならず全従業員に効果が期待できるものです。Intra-martとRobotaを活用し、Robotaに搭載されているAI-OCRで読み取ったレシートや領収書は電子化保存することが可能になります。さらにRPAを組み合わせて、経費申請の突合を自動化することができます。
まず申請者が領収書やレシートを貼り付けた経費申請書を、各支店や各部門から会計業務を行なっている部門に集約します。経費申請書に貼り付けられた領収書とレシート部分を回転切出Robotaで画像として切り出し、切り出した領収書とレシートの画像を領収書Robotaで読み取り、数字やテキストなどのデータ化を行います。さらにRobotaで読み取ったデータが、申請者がintra-mart上でエントリーした情報と合っているかをRPAで突合します。会計業務の担当者が突合結果を確認し、間違いがなければ承認し、確定データとしてintra-martに登録されます。
このようなユースケースに経費申請に関わる業務フローを変えることで、従来は人が一つ一つを目視で行っていたチェック作業がRobotaの突合作業により60%くらい削減することに成功することができるでしょう。人間はRobotaが「怪しい!」と判断したデータだけを目視で確認を行い、必要があれば担当部門に差し戻します。また、領収書やレシートを画像などのデータにしておけば、紙を7年間も保管しておく必要がなくなり、そのためのスペースがいらなくなります。