Peppolを採用している Australiaでの取り組み

  • デジタルインボイス(Peppol)

Peppol(Pan-European Public Procurement OnLine:汎欧州オンライン公的調達)は、電子インボイスなどの電子文書をネットワーク上で授受するための国際的な標準規格です。
オーストラリアとニュージーランドは、2019年2月に同規格の採用を発表しました。

両国は2019年10月にそれぞれの行政機関に管理局(Peppol Authorities)を設立し、シームレスなビジネス環境の構築に向けて協力しています。

電子請求書への共通のアプローチは、両経済圏のデジタル変革を進めるものであり、地域社会に利益をもたらす機会になります。

オーストラリア版Peppol

以下のPeppolコンポーネントは、管理局(Peppol Authorities)がオーストラリアの商慣習に合った標準仕様を管理しています。

  • Annex 5 to the Transport Infrastructure Agreements
    Peppolの送受信や実装に関して、ネットワークガバナンスを定義する法的枠組み
    詳細:PEPPOL Transport Infrastructure Agreements / NPa Terms & Conditions
  • Localisation of Peppol BIS Billing 3.0 to support Australian tax and business requirements
     A-NZ invoice specification (mandatory)
     A-NZ self-billing specification (optional).
    オーストラリアの税金とビジネス要件をサポートするためのPeppol BIS Billing 3.0の仕様。つまり、オーストラリアのビジネスプロセスをPeppolで行うための一連の仕様を提供するもの

オーストラリアやニュージーランドでアクセスポイント(AP)やサービス・メタデータ・パブリッシャー(SMP)を提供しようとするサービスプロバイダーは、それぞれの国のAnnex 5 requirementsに準拠する必要があります。

オーストラリアの「OpenPeppol」メンバー(Peppol Authority)

Peppol Authorities(PA)は、APプロバイダーを任命し、電子インボイスのような標準化されたメッセージの通信の信頼性とそのモデル、およびその地域での運用を保証する責任を負う政府機関です。
オーストラリアではオーストラリア税務局(ATO)が「OpenPeppol」のメンバーとなっています。ATOは、オーストラリア連邦政府の主要な歳入の徴収機関であり、オーストラリアの税制、オーストラリアの年金制度(スーパーアニュエーション制度)、オーストラリアの企業を管理し、政府の利益を社会に還元することをサポートしています。

オーストラリアの「OpenPeppol」のメンバーは、サービスプロバイダーやビジネスコミュニティと密接に協力して、地域に密着した要求事項を策定し、オーストラリア国内のアクセスポイントやサービスメタデータ・パブリッシャー・プロバイダーをサポートしています。

日本では、デジタル庁が、2021年9月、「OpenPeppol」の正式メンバーとなり、管理局(Peppol Authority)としての活動を開始しています。

参照:Australia – Country Profile