President, Americas インタビュー | Colin Frisby 氏
2025年2月、ファーストアカウンティングがアメリカでの事業を開始したのに伴い、President, Americas としてColin Frisby (コリン フリスビー)氏が就任しました。Frisby氏の経歴やアメリカ事業にかける意気込みなどを伺いました。
ファーストアカウンティング公式noteでは、インタビュー文章のダイジェスト版も掲載しています。
日本を訪れたのは何回目ですか? 日本の印象は?
この25年間で日本を訪れるのは、今回で10回目だよ。日本の印象は…「玉ねぎ」のようなものだと思う。皮を向いても、また次の皮が出てくる。 人生何回生きていても、日本について経験できることすべてを体験することはできないよ。
なぜそう感じているのですか?
若い頃、ジェームズ・クラベルの『将軍』という本で、はじめて日本文化に触れたんだ。
大学時代、僕は80年代に育ったんだけど、当時、日本は世界的な経済大国として台頭していた。アメリカでは多くの恐怖があり、日本の経営スタイルの謎と魔法はとても興味深いものだったんだ。
そこで僕は、エドワーズ・デミングや、カイゼンについて読み、絶え間ない、終わることのない小さなカイゼンが、時間をかけて壮大な飛躍と成果を生み出すという考え方について学んだんだ。そして、日本を訪れるたびに、細部へのこだわりや、米国トヨタのスローガンにもなっている「完璧の飽くなき追求」が、日本人の生活のあらゆる面に現れていることを目の当たりにしたんだよ。
経歴について、またSaaS業界でどのような経験を積まれたのですか?
大学では日本語と日本文学を専攻していたよ。
僕が卒業したのは1995年で、ネットスケープ・ブラウザがリリースされ、インターネットの誕生を目の当たりにした時だった。だから僕は、ビジネスと社会におけるひとつの大きな変革からキャリアをスタートさせたんだ。
そしてどういうわけか、テクノロジーの世界に迷い込み、最初の重要な経験は、「アカマイ」というおそらく初期のクラウドプロバイダーでのものだった。当時はクラウドという概念はなかったけれど、共有可能なリソースをユーティリティとして提供するというものだった。
正確にはSaaSではなく、“インフラ・アズ・ア・サービス” “プラットフォーム・アズ・ア・サービス”という感じかな。
僕はこの15年間、企業がクラウドを活用して仕事を変革するのを支援してきた。Boxが急成長した時期には、7年間在籍した。Slackが急成長していた時期には、Slackで過ごした。COVID時代にはGoogleに短期間在籍した。そして、ここ数年はWizという会社で働き、企業がクラウドでワークロードを保護するのを支援していた。
僕は、急成長を遂げた企業で働く幸運に恵まれていたよ。アカマイは4年間で400万ドルから9,000万ドル、1億5,000万ドルから2億6,000万ドルに成長した。最近ではWizで、5年足らずで会社をゼロから5億まで成長させたんだ。
だから僕は運が良かった。そして、企業がテクノロジーを使ってビジネスを変革する手助けを、本当に楽しんできたんだよ。
今日は帰国される日ですね。スーツケースの中には何が入っていますか?
いい質問だね。
半分は洋服で、半分はお土産だよ。
昨日は、霧島(鹿児島県)の…名前を忘れてしまったんだけど、受賞歴のある金属細工のお店を訪れることができたんだ。故郷にはたくさんの友人がいて、その人たちに日本の美しさや好きなものを紹介するのが何より好きなんだ。
そこで素晴らしい職人を見つけ、素晴らしい酒と宝石と彫刻を手に入れたんだ。このあと空港で、家にいる愛する人のために「獺祭」を3本買っていくつもりだよ。僕たちは日本酒が大好きなんだ!
なぜファーストアカウンティングにジョインすることを決めたのか?
CEOが非常に説得力のあるセールスマンだったからだよ(笑)
いや、本当のところは…AIが今現在、非常にエキサイティングな分野だからだね。人工知能が僕らの生活に少しずつ入り込んでくるのを、Siriの改良であれ、僕らが使う消費者向けアプリケーションであれ、見てきただろう。
インターネットは25年前、ビジネスや社会に大きな影響を与えたと思う。僕はキャリアの後半で、また新しく強力な変革に直面していることをとても幸運に感じているよ。
この分野を見ると、定量化や体系化できるものは何でも自動化できると思うう。そして、ビジネスの基本的な機能であるバックオフィス処理に影響を与えるその能力は、とてもエキサイティングな巡りあわせじゃないかな。
セールスパーソンとして、僕は自分が扱うソリューションの価値以上のものではない。僕の評価は、そのソリューションにかかっているんだ。僕は、心から信頼し、自分の名誉をかけて提供できる文化的価値と能力を持ったものだけを扱う。それこそが、僕が全力で市場に届けるべきものだからね。
そして、ファーストアカウンティングの創業者たちがこの8年間で築き上げてきたものは、現在ビジネスを変革し、コストを削減するためにこのテクノロジーを採用している130社以上の顧客によって証明されている。
僕はそのスピリットとテクノロジー、そして能力を、米国にもたらすチャンスは、とてもエキサイティングなものだと思っているよ。
AIは今後どのように進化し、経理業界にどのような影響を与えますか?
まだ始まったばかりだね。今後1年〜1年半の間に、エージェントが台頭してくると思う。
OCRやいくつかの基本的な照合機能は、ずいぶん前から存在しているけれど、意思決定のために生成AIを活用することは、それを競争優位性として取り入れる方法を見つけた企業に、効率や運営面で驚異的な影響を与えるだろうね。
米国市場におけるAIやSaaSのトレンドをどう見ていますか?
「AI」は最大のバズワードだ。
全部がぜんぶ「AI」。どの企業もAI企業になる方法を探しているよ。
だから、インターネットの初期と同じように、重要なのは雑音を超えて、シグナルを作り出すことだと思う。そして、ROIを語る能力、定量的なビジネス成果を語る能力が、それを可能にするだろう。
これは単なるマジックショーじゃない。精度について定量化できるような言葉で話すということだ。プロセスの効率化、ビジネスへの影響、作業時間の削減、コスト構造の改善について話すということなんだ。
ファーストアカウンティングの最も魅力的な点は何だと思いますか?
ピーター・ドラッカーはこう言った。「カルチャーは戦略に勝る」
僕は年齢とともにカルチャーの重要性をますます理解するようになり、この2年間ファーストアカウンティングの経営陣や従業員との交流に費やしてきた。そのユニークなカルチャーが、米国市場に挑戦する僕らに競争優位性を提供してくれると感じたよ。
私たちのカルチャーのどの点がユニークだと思いますか?
経営陣がミッション、バリュー、目標、自分たちが支持するものを文書にし、青写真にしたことだと思う。結局のところ、すべての決断を細かく管理することはできない。人々に権限を与える際、バリューの枠組みの中で行動させることで、従業員が正しい決断を下せるようになる。
「できる」という姿勢を持ち、チームプレイヤーであるかのように顧客を最優先に考えること。それが重要であり、急成長する企業のカルチャーのなかで、僕が非常に高く評価しているところなんだ。
米国市場での成長戦略を教えてください。
僕らはまだ、発展途上の段階にある。非常に初期の段階であり、僕が得意とするところだ。真っ白なキャンバスで仕事をするのが好きなんだ。
僕の当面の目標は、できるだけ多くの見込み客の前に立つことだ。ご存知の通り、大金を手にしたライバルたちがいる。彼らは素晴らしいストーリーを語っているだろうが、僕らはまだ「1回オモテ」にいるようなものだ。
だから、できるだけ早く顧客の前に立ち、ファーストアカウンティングの素晴らしい部分をどのように取り入れ、ビジネス要件や基準、米国内の規制に合わせるにはどうすればいいかを考えていきたいんだ。昔勤めていた会社で「私たちの最大の見込み客は、既存の顧客だ」と言われたことがある。
ファーストアカウンティングには、グローバルに活躍する顧客がたくさんいる。まずはそこへ行き、取り組んでいきたいと思っているよ。
その次のステップは?
僕らには学ぶべきことがたくさんあると思う。次の段階は、日本市場における潜在的な可能性を秘めた非顧客を開拓したい。そして、今業界を形成しているかもしれない他の人たちの脚本を参考にし、学び、構築していくことになると思います。
また、Coupa、SAP、Concurと築いてきた関係を活用し、トップ・オブ・ファネルでの活動を展開したいとも思っているよ。
それと並行して、僕らが本当に必要としているのは“大きな灯台”となり得る取り組みなんだ。
それに関してもいくつか取り組んでいることがあり、できるだけ早く発表できることを願っているよ。
米国のどこに拠点を置く予定ですか?
シカゴ近郊だね。テクノロジー業界に何年もいる中で、中西部は「フライオーバー・ステーツ」と呼ばれている。
つまり、どのテクノロジー企業もサンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークに顧客を獲得したがっているということさ。テクノロジー企業からあまり注目されず、AI戦略の構築方法や自動化について悩む余裕もないような企業、伝統的な企業、製造業者など、巨大な市場が存在する。
僕らはそのような市場に売り込み、市場を教育し、ファーストアカウンティングのソリューションを提供する機会を得ることができるだろう。
オンサイトとオンライン、どちらで商談するのが一般的でしょうか?
COVIDは多くのことを変えたね。
ポジティブに言えば、COVIDは多くの企業にとって様々な意味でデジタルトランスフォーメーションを急速に加速させた。Zoomは技術的に空間と時間を超越することができるようにしてくれた。理論的には、Zoomから週に40回のミーティングができるんだ。飛行機やバスや電車に飛び乗って、ホテルの部屋に泊まる必要もない。これはポジティブなことだ。
マイナス面は、結局のところ、僕らが働いている業界は信頼、親密さ、信頼性、そして人間関係が必要とされる職業だということだ。対面での会議に対する意欲が劇的に減少しただけでなく、ロジスティックに対面での会議が難しくなっていると言える。多くの企業が本社を閉鎖し、バーチャル環境に移行したのを見てきたよ。また、コスト削減のために商業的な拠点や作業スペースを縮小した企業もあった。
だから様子を見なければいけないが、僕の基本的な考えは常に顧客の前に出ていくことだよ。その一方で、テクノロジーを使って可能な限り多くのミーティングを行えるメリットや効率性は歓迎したいと思う。
どのような人材を探していますか?
現在、ERPと会計の分野から、業界の専門知識を持った小さなチームを構えている。
最初の採用者はCPA(公認会計士)で、彼の妻も、彼の3人の子供もCPAという、公認会計士の家系なんだ。つまり、社内には専門的な知識がある。
最終的にその原動力となるのは、顧客基盤を構築し、プロダクト・マーケット・フィットを見つけ、強固な基盤を確立する能力だと思うよ。マーケティングやファーストアカウンティングのブランドプロモーションなどを通じて、本当にスイッチを入れて市場に出る前にね。それについてはまた後日。
5年後の会社のビジョンは?
僕は5年間でゼロから5億ドルになった会社を辞めたばかりなんだ。だから、それは可能なんだ。
僕の目標は、ファーストアカウンティングが米国における AP Automation(債務処理の自動化)市場のリーダーになることだ。
今、僕らにはそのチャンスがあり、そのリーダーになれない理由はないね。